個人的な事なのですが題名がちょっとひっかかります。自分もそう呼ばれても可笑しくない年のせいだからなのです。原題の”Going in Style”とは余りにも似ていません。
ただ、この題名を付けた人はニヤリとした事でしょう。多分”爺さん”と”3人”を組み合わせたと推測しますが、コメデイーにはぴったりの上手い題名です(悔しいけれど)。
アカデミー賞を獲得した3人の俳優、左からアルバート・ガードナー役の アラン・アーキン、 ウィリー・デイビス役の モーガン・フリーマン、 ジョー・ハーディング 役のマイケル・ケイン の3人の爺さんが大変上手いのです。
この他にもFBI捜査官アーロン・ヘイマー を演じる マット・ディロン、アルバートに恋する アニーを演じる今もって魅力的な アン・マーグレット(体形は大いに変わりましたが)。 アルバートとウイリーの入っている施設の仲間ミルトン・カップチャク を演じる クリストファー・ロイド(バック・トゥ・ザ・フューチャーのドク役)等の素晴らしい俳優を見られるのも楽しい事です。
製鉄会社を長年勤めあげ、今では人生の終末が現実味を帯びてハッキリと見えるようになったた3人の仲間。大切な年金が、会社の合併により受け取る事が出来なくなります。ジョーは孫と娘と暮らす家を失う事になりそうです。施設に入っているアルバートとウイリーはパイも好きに食べられなくなりそうになります。
失う物さえ無くなりそうな3人は、年金をかすめ取る銀行を襲うことを決意します。家族との安穏な人生の終末を迎えるだけの最低限の金を獲得して、残りは寄付をする事にします。話にはコメデイーらしくかなり突拍子もない筋書きが含まれていますが、3人の友情、人生の哀感、細やかな希望などは真実味のある物語として私の心を打ちます。ただ、コメデイーの面白さに笑っているわけには行かない映画でした。
時間も時間なので見ている人はほぼ同じ年齢のようです。私と同じように、3人の主人公が演じる人生の難問の全てが現実として直面している年代のように見えます。きっと大いに同感し映画の結末に安どしたに違いないように思いました。
次の上演は見る人は少し人数が増えたようです。2017.06.27